米国科学財団(National Science Foundation:NSF)は、報告書「産業界による研究開発費への資金拠出の減少 2004年度(Industrial Funding of Academic R&D Continues to Decline in FY 2004))」を発表し、2004年度の学術研究(Academic R&D in science and engineering)に対する産業界の支援は、3年連続減少したことを明らかにした。NSFは、1953年より大学の研究開発費について調査しているが、産業界による学術研究への支援は、長年減少傾向にあるという。
報告書は、大学の研究開発費に関するNSFの統計調査データを用い、大学の研究に対する資金源、最も研究費を獲得した分野及び機関について分析している。(*2004年度が最新データ)
報告書の主な内容は下の通り。
- 学術研究に対する産業界の支援
減少率(対前年)は、2002年度 1.5%、2003年度 1.1%、2004年度 2.6%。金額ベースでは、2001年度が22億ドルであったのに対し、2004年度は21億ドル。 - 科学技術研究に対する支援
連邦政府による助成が最も多い。2004年度は、2003年度の2470万ドルから10.7%増加し、2740万ドルを支援。大学における全研究開発費の連邦政府負担分は前年度の61.8%より増加し、2004年度は63.7%。 - 大学における全研究開発費
2003年度が401億ドルであったのに対し、2004年度は429億ドルに増加(+ 7.2%)。この増加は、過去2年間の増加率が2桁であったのに対し(2002年度-10.9%、2003年度-10.2%)、減速。 - 大学が研究に費やす費用
過去7年間の年平均率9%の増加に比べ、2004年度は1.5%の増加と横ばい状態。
この調査から、2004年度に最も連邦政府から資金を受けた大学がランク付けされた。(2004年度のトップ100は、2003年度と大きな変化なし。)
※ ランキングは、下記URL参照
参考:THE CHRONICLE of Higher Education(2006年5月12日付)
「Industrial Funding of Academic R&D Continues to Decline in FY 2004」
http://www.nsf.gov/statistics/infbrief/nsf06315/