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「学術動向関連」カテゴリーアーカイブ
米国の高等教育情報を更新しました
米国の高等教育情報2016年12月分 を掲載しました。
米国の高等教育情報を更新しました
米国の高等教育情報2016年10月分 を掲載しました。
米国の高等教育情報を更新しました
米国の高等教育情報2016年9月分 を掲載しました。
米国の高等教育情報を更新しました
米国の高等教育情報2016年7月分・8月分 を掲載しました。
米国の高等教育情報を更新しました
米国の高等教育情報2016年6月分 を掲載しました。
米国の高等教育情報 を更新しました
米国の高等教育情報2016年5月分 を掲載しました。
米国の高等教育情報 2016年4月分を掲載しました
米国の高等教育情報 2016年4月分を掲載しました。
「カリフォルニア大学の比類なき特徴(自律的ガバナンスと機能別分化の効用)」を掲載しました
当センターの米国高等教育情報収集の一環として、カリフォルニア大学について調査を行い、報告書「カリフォルニア大学の比類なき特徴(自律的ガバナンスと機能別分化の効用)」を作成しました。
こちらからご覧いただけます。
「カリフォルニア大学の比類なき特徴(自律的ガバナンスと機能別分化の効用)」
report_Univ.California
カントリーレポートを掲載しました
中南米地域における学術の実情や最近の動向について調査を行い、カントリーレポートとしてまとめました。
「中南米各国における学術研究指標の国際比較(データブック)」
country_report_LatinAmerica
「新興国ブラジルの学術研究動向~サンパウロ州の学術振興機関・研究大学の躍進に注目して~」
country_report_Brasil
NAFSA2014参加報告書を掲載しました
2014年5月に参加したNAFSA2014の参加報告書を作成しました。
こちらからご覧いただけます。
NAFSA2014
「Stanford Challenge」-全学的キャンペーンに5年間で43億ドル-
スタンフォード大学では、今世紀における地球規模の緊急課題の解決策を見出すこと、将来の指導者を育成する教育レベルを高めること、そして学術的活動を強化することを目的として、「Stanford Challenge」というキャンペーンを展開することが、評議員会の満場一致で決定された。これは、大学全体で取り組む各種プログラムの総称であり、5年間で43億ドルを拠出する。
- 学際的イニシアチブ 【約14億ドル】
ヒトの健康(human health)、環境の持続性(environmental sustainability)、国際的平和と安全(international peace and security)の3分野において画期的発展を図る。- 教育プログラム改革イニシアチブ 【約12億ドル】
K-12教育の改革、スタンフォード大学生向けのプログラムの強化、大学院生向けプログラムの改革を図る。また、あらゆる学生に対して、エキジビジョン、パフォーマンス、研究を通じて芸術及び創造的な世界を経験させる。これらの活動に11億7500万ドルを拠出。- 卓越した教育研究のためのコアサポート 【約17億ドル】
スタンフォード大学の教育と研究の幅広い卓越性維持のため、コアとなる支援として年間17億2500万ドルを拠出。
これらの研究及び教育のイニシアチブのポイントは、学際的アプローチである。ここでいう「学際的アプローチ」は、スタンフォード大学の全7大学院及び多くの研究センター等全ての卓越性を利用するものであり、このキャンペーンによって、大学全体から専門家が結集し特定の問題に取り組むことができ、研究面での連携がより一層高まることが期待されている。
このキャンペーンの目標達成のための基盤として、スタンフォード大学は既に下3つの学際的研究イニシアチブを開始している。
(1) ヒトの健康(Human Health)イニシアチブ
(2) 環境と持続性(Environmental and Sustainability)イニシアチブ
(3) 国際的(International)イニシアチブ
これらのイニシアチブは、教員と大学トップとの間での数年にわたる研究と議論を経て選定されたものである。始まりは、2000年10月に当時の学長John Etchemendy氏が大学のミッションを検討するタスクフォースを開いた時に遡る。
タスクフォースでは、生物科学、環境及び国際的な事項に関する学際的な試みを強化することに教員が大きな関心を持っていることが明らかになり、それ以降、評議委員、教員及びスタッフは、当該事項のうち、スタンフォード大学が最大の強みをもち、また科学技術の進歩が最も期待される分野を特定し、イニシアチブ計画をより洗練されたものへと高めていったのである。
二つ目のイニシアティブでは、グローバル社会における世界的な指導者の養成に焦点を当てており、K-12教育やいわゆる教養教育(arts and liberal education)の新たな試み、大学院教育の刷新、学部教育の質の向上等につとめる他、学部学生及び大学院学生の財政支援を強化している。財政支援には、必要性に基づいた奨学金対象者の留学生への拡大、公益部門で働く大学院生へのローン返済援助が含まれている。
また、三つ目のイニシアティブでは、優秀な学生と教員のために継続的投資を行う。財政的資源及び施設の充実した「高度な大学」の創造こそが、「世の中で成功し社会に役立つ学生を育てる」というスタンフォード大学の目標達成に必要不可欠なのである。
昨今は、予算の制約と市場の現状が政府及び産業界の研究努力を縮小させ、大学がそのギャップを埋めなければならなくなっている、との指摘があり、このように大学全体の専門的知識を、現在の社会的課題に対応すべく新たな試みを展開していくことは、社会的にも非常に意義があることである。
キャンペーン開催の共同議長であり、評議委員会に再選されたIsaac Stein氏「スタンフォード大学の核心的な強みは、独立した学部及び研究所の集合体としてではなく一大学として機能する力を持っていることである。スタンフォード大学は各々の卓越性を1つに集約し、Stanford Challengeを通じて、21世紀におけるスタンフォード大学の地位を確固たるものにすることだろう。」という発言に顕れているとおり、すでに世界トップレベルにある各研究・教育を、全学的な戦略を基により一層高いレベルを目指して推進していくことは、その他ライバルを引き離す原動力となる。学際的なアプローチも、これまでにない新たなブレークスルーを生み出すきっかけになることが期待される。
学際的な教育や研究を進める動きは日本の大学でも見られるが、大学全体としてビジョンと立てているケースは少ないと思われる。スタンフォード大学のこの動きは、大学全体のアクティビティ、社会的ニーズへの対応等の視点から学部、大学院、研究所間を超えた全学的な連携を促す先駆的取り組みであり、今後の大学戦略を考える上で、注目に値するものである。
参考:http://news-service.stanford.edu/news/2006/october11/challengesr-101106.html
UC Berkeley とノーベル賞
2006年のノーベル賞は、10月2日にノーベル医学生理学賞が、10月3日にノーベル物理学賞が発表されている。両賞とも、カリフォルニア大学バークレー校(UCB: University of California Berkeley)に縁の深い研究者が受賞しており、名門UC Berkeleyの底力が伺える。
ノーベル物理学賞を受賞したジョージ・スムート(George F. Smoot)米カリフォルニア大学バークレー校教授は、1974年に同校でPh.Dを取得後、LBNL(Lawrence Berkeley National Laboratory )で天体物理学者として研究を行うとともに、1994年からはUC Berkeley 物理学部の教授としても活躍してきた。
ノーベル医学生理学賞を受賞したアンドルー・ファイアー(Andrew Fire)米スタンフォード大医学部教授(47)は、16歳で学部生として入学、数学を専攻する大変優秀な学生で、学部をたった3年で修了すると瞬く間に大学院へ進学していったという。
UC Berkeley では、ノーベル賞受賞者を数多く輩出してきた。特に近年は、1994年、2000年、2001年にノーベル経済学賞受賞者を輩出しており、4日の化学賞とともに、今後の発表が楽しみである。
参考:
UC Berkeley :ジョージ・スムート教授のニュース
http://www.berkeley.edu/news/media/releases/2006/10/03_nobelph.shtml
UC Berkeley :アンドルー・ファイアー教授のニュース
http://www.berkeley.edu/news/media/releases/2006/10/02_nobel.shtml
Nobel Prize Website
http://nobelprize.org/
大学運営と負債-カリフォルニア大学の取組
カリフォルニア大学(UC: University of California)では、大学で将来必要となる設備・人的資本ニーズに最善の財政的戦略をとっていくために、負債のマネジメントについて見直す動きがある。
理事会等での議論を経て、2007年1月には新戦略ができあがる予定である。
レビューは、下2つを中心に行われる。
(1) External debt strategy
UCの資本力(負債可能性)、証書や支払期限、利息のマネジメント、取りうる各種負債手段等
(2) Internal debt guidelines
標準化や各大学における負債限度の割り当て、資金調達可能性のガイドライン等
UCの理事は「負債はUCにおいて、最も大事な資金源である。よい戦略とは、注意深く資本的ニーズと負債リスクのバランスを取ることだ。」「我々は、サイエンスがどこに向かっているかを把握し、サイエンスのスーパースターが必要とする施設設備を提供すること、あるいは、優秀な研究者を失うリスクについて考える必要がある。お役所的な弊害や、プロジェクトへのGoサインまでに無駄な時間がかかってしまうようなことが無いよう、その障壁を取り除いていく必要がある。」等と述べている。
日本の大学も、負債を抱えること自体はあり得る話である。ただ、おそらくそれはネガティブなイメージであり、このような戦略的、将来的な視点から公にそれらを語る動きは無いだろう。
もちろん、日本と米国の文化の違いに依るところも大きいが、今後の世界的にダイナミックなサイエンス、アカデミックな動きに対応するためには、負債を生じるような“投資”のあり方も議論していく必要が出てくるのかもしれない。
参考:http://www.universityofcalifornia.edu/news/2006/sep25.html